祝 ★手塚治虫記念館10周年!
  
田浦紀子(手塚 ファンマガジンvol.168掲載)
 
 手塚治虫記念館10周年おめでとうございます!私は、ちょうど記念館がオープンした頃に 手塚マンガと出会いました。学校の図書館で読んだ『火の鳥』に強烈な印象を受けました。人間の生と死、愛と憎しみ、そして人間の生きる意味とは…。当時、 人間関係等で悩んでいた私にとって羅針盤のような作品でした。まさに、人生を変えた本といっても過言ではありません。


 そして、初めて記念館に足を運んだ’94年の夏…開館時間の朝9時半に入館し、昼食も食べずに夕方の4時半まで、ひたすら『ブラック・ジャック』を読み ふけりました。その後はもうずぶずぶと手塚ワールドにハマってしまい、手塚漫画を買い漁り、記念館には月に一度は通いました!当時はまだDVDやビデオな どは入手できるような環境ではなかったので、手塚アニメを見るために記念館に通い続けたのです。そして、企画展で見られる手塚先生の美しい原画の数々に、 穴があくほど見入ったものでした。あれからもう10年も経ったのかと思うと、感慨深いものがあります。私のファン歴はまさに記念館とともにあったからで す。今まで記念館に行った回数は正直数え切れませんが、80回くらいにはなるでしょうか。


 さて、4月25日に10周年を迎えた手塚治虫記念館に行って参りました。GW前の日曜日のためか、かなり混んでいました。入り口で、限定3000名様の 記念ポストカードをもらいましたよ。入ってすぐのところにクイズの回答用紙が置いてありました。クイズは10問。手塚ファンには楽勝の問題ばかりでした が、一般的にはちょっと手ごたえのあるクイズかな?でも、展示物をきちんと見れば全問わかるものばかりです。ちなみにひとことツッコミを入れますと…「手 塚治虫のペンネームの由来となった昆虫の名前は?」回答はいうまでもなく「オサムシ」なんですが、厳密に言えば「オサムシ科のマイマイカブリ」なんですよ ね。でも、不正解とされるのがイヤだったので、そう書くのはやめました(笑)。

 
 そして、10周年の記念消印と記念スタンプがあったので、ポストカードを購入して切手を貼って、消印&スタンプを大量に押してきました。10周年記念 グッズも購入し、限定紙袋もゲット!企画展「火の鳥〜生命の輝き展」は、「休憩〜インターミッション〜」や「大地編」の構想原稿など、普段は見られない手 塚先生の生原稿が多かったので、ファンとしては満足のいく展示でした。


 ここで今後の企画展についてひとつ提案を。「手塚治虫の時代 観(環)展」というのはどうでしょう?手塚漫画には、『陽だまりの樹』や『アドルフに告ぐ』をはじめ、歴史を舞台とした様々な作品があります。『シュマ リ』や『奇子』、『一輝まんだら』などなど…。これらの作品群はいわば、手塚先生の「歴史観」を語るにふさわしいものだと思うのです。さらに言えば『火の 鳥』における壮大な時間の流れ。「未来編」のラストが実は「黎明編」に繋がっているという手塚先生独自の「歴史環」。この考え方は他の作家にはなかなか真 似の出来ない、素晴らしいものではないでしょうか。是非企画展という形でアピールする方法をお考えいただければ、と思います。


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