『ブラック・
ジャック』「アリの足」のラスト シーンの背景に
描かれている阪急ビルディング(南側から見たアングル)
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ちなみに手塚先生は、大阪市街
地へ行き来する場合
(大学時代は毎日)必ず通るこのターミナルビル近辺が思い出として強く残っているのか、作品中に3
回登場させています。ひとつは『どついたれ』で、美保が
拘留されていたのが曾根崎警察署であった、という設定。二つ目は『ブラック・ジャック』「アリの
足」のラストで小児麻痺の少年(ケン一)が辿り着いた場所
が大阪駅前であること。(背景に阪急ビルの「阪」の字と阪急のロゴマークが描かれています。)三つ
目は『アドルフに告ぐ』で、仮釈放された峠草平が仁川警
部と一緒に、彼の自宅に向かおうとするシーン(話す二人の後ろをランプの部下が尾行しながら「やつ
は郊外電車に乗る気です。」などと報告しているシー
ン)。ここで、二人が向かっているのも、おそらくはこのターミナルビルでしょう。
しかし、ついにこの梅田の歴史建築に幕が引かれるときが来てしまいました。阪急百貨店は全面的な
建て替えが決まっているのです。今年8月中旬より工事が
開始され、9月中旬には旧梅田駅コンコースも閉鎖とのこと。これで手塚治虫ゆかりの地がまたひとつ
姿を消すことになりました。
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