ここが無くなると 聞いて、私はい
てもたってもいられず、使い
慣れ
ない一眼レフを持って梅田へ。露光調節に初めてチャレンジし
ました。何本もフィルムを無駄にし
て、苦労に苦労を重ねて撮影して参りました。掲載の写真が私
の労作。どうか皆さん、この風景をいつまでも忘れないで
下さ い。ここには76年間の梅田の歴史
がつまっているのです。
写
真撮影と同時にスケッチをはじめま した。どうに
かここを残さなければ、という焦燥感と使命感にから
れ
て…。コンコースの隅に座り込んで描いていたら、いろん
な人が見に来ました。絵を描いていると、
絶対みんな見ていきますよね。何人か声をかけて下さいま
した。皆さんそれぞれここに思い入れがあるようで、
解体 を惜しむ声を聞きました。でも、ここって人
通
りが多い割には隅にいてたら気づかないみたいで、(人が
多すぎるとかえって目立たない?)意外と無視してい
く人 も多くて、適度に集中できる環境で描けまし
た(笑)。
それよりも、スケッチしていた
ら、 警 備員さんが来
まして…。「ここ座り込み禁止です」って。私が
「絵、描くのもダメなんですか?だってここもう
すぐ
無くなっちゃうんですよ。」ってくってかかったらさ
すが
に描くなとは言われませんでした。次にもう一度来た
警備員さんは、「おねえちゃん、ごめんな〜。
おっ
ちゃんら、これが仕事やからな〜。せやけど、上手い
な
〜。ちょっと見せて〜。美術学校とか通ってる
ん?」…ってミイラ取りがミイラになるとはこの
こと
です(笑)。次の日またやってきた警備員さんは、
「すぐ片
付けるってことにしておっちゃん向こうに行く
な〜。」って黙認して下さいました。さらにやっ
て来
た別の警備員さんは注意するどころか鑑賞しに来まし
た (笑)。
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