このプラネタリウムは、ドイツのカール
ツァイス社製で、当 時、最先端の技術で作られた
ツァイスU型というものでした。このプラネタリウムに強烈な印象を受けた手塚先生は、のちに『漫画
天文学』の中で同機を登場させています。また、自宅の押
し入れの中で自家製のプラネタリウム上映をしたというエピソードは皆様ご存知のとおり。それから、
電気科学館の展示物の中に「まぼろしの花」という凸面鏡
を使ったトリック装置があり、こちらも『ビルの中の目』で描かれています。
その電気科学館は一九八九年、奇しくも
手塚先生がちょうど亡 くなられた年の五月に閉
館、八年後に解体されました。しかし、手塚先生が魅せられたプラネタリウムは今でもその姿をとどめ
ています。電気科学館からバトンタッチされた大阪市立科
学館。高い吹き抜けの天井にガラス張りのエレベーター。四階までの常設展は触って遊べる展示物が豊
富でまる一日楽しめる空間です。地下一階のサイエンスシ
アターでは日本最大級のプラネタリウムとオムニマックスが体感でき、昨年はここで大型映像
「ROBOT〜夢のアストロボーイへ〜」の上映もありました。そ
の一角にかつて電気科学館で活躍したツァイスU型プラネタリウムが展示保存されています。同機は二
〇〇〇年一二月には大阪市の有形文化財に指定され、その
際、手塚先生のサインが入った『漫画天文学』の原稿も一緒に展示公開されたそうです。
ところで、最近とても興味深い話を聞き
ました。なんでも電気
科学館で戦前に販売されていた「プラネタリウム」というお菓子が現在復刻販売されている、というの
です。この話に私は興味津々!次回はそのお菓子の話をい たしましょう。
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