(手塚ファンマガジ
ンvol.173掲載)
第2回 御殿山のクス
ノキ
宝塚駅から歩くこと10分あまり。ゆるやかな坂をのぼると歌劇場方面の華やかさとはうって変わって、
の どかな景色が広がります。『アドルフに告ぐ』や『モ
ンモン山が泣いてるよ』の舞台として描かれているように、ここ御殿山は手塚先生にとってよほど想いいれ
が深い場所だったのでしょう。現在では宅地開発が進
み60年前とはすっかり様変わりしています。しかし、閑静な住宅街は今でも先生の少年の日々を思い起こすのに十分なほど良い場所でしょう。御殿山は、すな
わち手塚ワールドの原点なのです。
手塚先生が約20年間暮らした家は、今はもうありませんが、少年時代毎日見上げてきたクスノキは今も
健 在です。
このクスノキは『新聊斎志異・女郎蜘蛛』に登場していることで有名。先生の弟・浩さんによるとこのクス
ノキ以外にも、実は往時を偲ぶことができる樹木がい くつか残っているそうです。
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